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頭痛について

頭痛は、非常に多くの方が経験する症状です。ほとんどは心配のいらない「一次性頭痛」ですが、中には命に関わる病気が隠れている「二次性頭痛」もあります。ご自身の頭痛がどちらのタイプに近いかを知り、適切に対処することがとても大切です。

1. 危険な頭痛とそうでない頭痛

頭痛は、大きく「危険な頭痛」と「そうでない頭痛」に分けられます。見分けるためのポイントは、「いつもと違うか、突然起こったか」です。

危険でない頭痛(一次性頭痛)

命に別状はなく、頭痛そのものが病気であるタイプです。いわゆる「頭痛もち」の方の頭痛がこれにあたります。

特徴

毎回同じようなパターンで起こる、昔から繰り返している、痛みのない時は普段通り生活できる。

代表例

緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛など。

危険な頭痛(二次性頭痛)

脳の病気(くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎など)が原因で起こる頭痛です。これらは緊急の対応が必要になります。

危険な頭痛を疑うサイン(レッドフラッグサイン)

以下の特徴が一つでも当てはまる場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、すぐに脳神経外科などの医療機関を受診してください。

  • 突然の激しい頭痛:「バットで殴られたような」と表現されるほどの、突然始まった今までに経験したことのない痛み。
  • いつもと違う、どんどん悪化する頭痛:時間が経つにつれて痛みが強くなっていく。
  • 手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見えるなどの神経症状を伴う。
  • 高熱、うなじの硬直(首が硬くて曲がらない)を伴う。
  • 意識がもうろうとする、けいれんを起こす
  • 50歳以降に初めて現れた頭痛。

2. 頭痛と血圧の関係

「血圧が高いから頭が痛い」と思われている方は少なくありませんが、実は通常の高血圧で頭痛が起こることはほとんどありません。

一般的な高血圧と頭痛

多くの場合、高血圧自体に自覚症状はなく、頭痛も起こしません。むしろ、ストレスや不安が原因で「頭痛」と「血圧上昇」が同時に起こっているケースが多く見られます。

危険な高血圧と頭痛

ただし、収縮期血圧が180mmHgを超えるような極めて高い血圧(高血圧緊急症)になると、脳がむくんで激しい頭痛や吐き気、意識障害を起こすことがあります。これは非常に危険な状態で、直ちに治療が必要です。

 

結論として、「頭痛がするから血圧を測ったら高かった」という場合、血圧の高さが頭痛の原因である可能性は低く、むしろ頭痛の痛みやストレスで一時的に血圧が上がっていると考えられます。

3. 頭痛をきたす疾患について

頭痛の原因となる病気には、様々なものがあります。

一次性頭痛(頭痛そのものが病気)

緊張型頭痛

最も多いタイプの頭痛。頭全体がヘルメットで締め付けられるような、重く圧迫されるような痛みが特徴です。ストレスや長時間の同じ姿勢(デスクワークなど)、体の冷えが原因となることが多いです。

片頭痛

頭の片側(時には両側)がズキンズキンと脈打つように痛みます。光や音に過敏になり、吐き気を伴うこともあります。日常生活に支障をきたすほどの強い痛みですが、危険な頭痛ではありません。

群発頭痛

片方の目の奥をえぐられるような、耐えがたい激しい痛みが特徴です。数週間から数ヶ月の「群発期」に、毎日ほぼ同じ時間帯に起こります。

二次性頭痛(他の病気が原因)

くも膜下出血

脳の血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が破裂して起こります。「突然の激しい頭痛」が特徴で、命に直結します。

脳出血・脳梗塞

脳の血管が破れたり詰まったりする病気。頭痛のほかに麻痺や言語障害などを伴います。

髄膜炎・脳炎

ウイルスや細菌が脳を覆う髄膜や脳実質に感染して起こります。頭痛、高熱、嘔吐、うなじの硬直が特徴です。

脳腫瘍

頭蓋骨の中で腫瘍が大きくなるにつれて脳が圧迫され、頭痛が起こります。朝方に痛みが強く、日を追うごとに悪化していく傾向があります。

その他

副鼻腔炎(ちくのう症)、緑内障発作、薬の使いすぎによる頭痛(薬剤使用過多頭痛)なども原因となります。

4. 頭痛の検査

頭痛の原因を調べるためには、以下のような検査を行います。

問診

いつから、どんな痛みが、どのくらいの頻度で、他にどんな症状があるか、などを詳しくお聞きします。頭痛の診断で最も重要な情報です。

神経学的診察

医師が手足の動きや感覚、反射などを確認し、脳や神経の異常がないかを調べます。

画像検査(CT、MRI)

脳の断層写真を撮影し、くも膜下出血や脳腫瘍など、脳内の異常を直接確認します。危険な頭痛が疑われる場合に必須の検査です。

血液検査、髄液検査など

感染症や炎症の有無を調べるために行われることがあります。

5. 頭痛の治療

治療は、頭痛のタイプによって大きく異なります。

緊張型頭痛

薬物療法

市販の鎮痛薬(アセトアミノフェン、ロキソプロフェンなど)が有効なことが多いです。筋肉の緊張を和らげる薬や抗不安薬を使うこともあります。

非薬物療法

ストレッチ、マッサージ、適度な運動、入浴などで血行を良くすることが効果的です。

片頭痛

急性期治療(痛い時の治療)

トリプタン製剤という片頭痛の特効薬が中心です。最近ではラスミジタンやジタン系と言われる新しいタイプの薬も登場しています。市販の鎮痛薬も軽症の場合は有効です。

予防療法(発作を減らす治療)

頭痛の回数が多い(月に2回以上など)場合、毎日お薬を飲んで発作の頻度や程度を減らす治療を行います。抗CGRP抗体薬という新しい注射薬も登場し、治療の選択肢が広がっています。

二次性頭痛

原因となっている病気の治療が最優先です。くも膜下出血や脳腫瘍であれば緊急手術、髄膜炎であれば抗生物質の投与など、専門的かつ迅速な治療が必要になります。

6. 頭痛がつらいときにどうすればよいか?

まず、危険な頭痛のサインがないかをセルフチェックしてください。もし当てはまる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

そうでない「いつもの頭痛」の場合は、以下のような対処法を試してみてください。

静かな暗い場所で休む

特に片頭痛の場合は、光や音の刺激を避けることで痛みが和らぎます。

痛む部分を冷やす・温める

片頭痛(ズキンズキンと脈打つ痛み)

血管が拡張して痛むため、冷たいタオルなどで冷やすと楽になることが多いです。

緊張型頭痛(締め付けられる痛み)

血行不良が原因のため、蒸しタオルなどで首や肩を温めると楽になることが多いです。

早めに鎮痛薬を飲む

我慢せず、痛みが軽いうちに服用する方が効果的です。ただし、月に10日以上鎮痛薬を飲むと、かえって頭痛を悪化させる「薬剤使用過多頭痛」になることがあるため注意が必要です。

つらい頭痛を「いつものこと」と諦めずに、一度医療機関に相談することが大切です。頭痛の原因を正しく診断し、ご自身に合った治療法を見つけることで、生活の質は大きく改善します。頭痛ダイアリー(いつ、どんな痛みが起きたかを記録する)をつけると、診断や治療にとても役立ちます。

当院では患者さんの診察を行い、危険なずつうか、そうでない頭痛かどうか診察を行います。緊急性の高い頭痛の場合は専門医療機関に紹介させていただきます。なにか頭痛でご不安の場合はいつでもご相談ください。

この記事の執筆者

三鷹あまの内科・腎クリニック
院長 天野博明

経歴

  • 2011年3月 埼玉医科大学医学部医学科卒業
  • 2011年4月 埼玉医科大学国際医療センター 初期臨床研修
  • 2013年4月 埼玉医科大学病院腎臓内科 助教
  • 2024年8月 埼玉医科大学病院腎臓内科 講師 
  • 2026年4月 三鷹あまの内科・腎クリニック開業

資格

  • 医学博士
  • 日本内科学会総合内科専門医・指導医
  • 日本腎臓学会専門医・指導医
  • 日本透析医学会専門医・指導医
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